頭書にも様々な形がありますので、米国の契約書ではあまり見かけないものをご紹介しましょう。次の例はサウジアラビアと日本の会社との間で締結された契約書の冒頭部分です。
With the help of God Almighty, THIS AGREEMENT is made and entered into this day of 1999, by and between:
FIRST PARTY SAUDI CHIMICAL COMPANY, a limited liability company incorporated and existing under the laws of the Kingdom of Saudi Arabia, having ……….,with the address of its register head office …….. SECOND PARTY NIPPON TRADING CORPORATION, a corporation…………… |
この後にTHIRD PARTY、FORTH PARTYと続き、そしてWITNESSETH、WHEREASとなり、considerationのある普通の形の契約書となっています。
また、表紙部分には契約書のタイトルと日付が記載され、次のページにはTABLE OF CONTENTS、いわゆる目次があり、頭書部分がないまま第1条が始まる英文契約書もあります。
一方、日本の契約書では通常、冒頭文において契約当事者が誰であるかを特定し、本文の内容に沿って契約を締結することを表明しますが、時には契約当事者の立場や目的が記載されることにより、本文と同一の機能を果たすものもあります。建築請負契約や建物の賃貸借契約の冒頭文にそうした例がみられます。
ところで、これらの冒頭文には、当事者名を○○○(以下、甲という)、×××(以下、乙という)と記載されているのですが、この甲、乙を英訳する場合どうしますか?考えてみてください。